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新橋レポート

第6回 新橋のサラリーマンのお父さんってどんな人

 江戸開府400年の今年、私達新橋周辺の歴史を振り返ってみますと、家康から16代続いた 江戸幕府、幕末の動乱を経て迎えた明治維新、東京のほとんどが壊滅を受けた大正の大震 災、そして昭和の大空襲、更に戦後の高度成長時を経てバブルが崩壊、平成の資産デフレ と時代が流れてきました。そして今新橋周辺はまさに動乱の時代です。

 過去の歴史を振り返ってみますと、動の時代と静の時代が交互に繰り返されてきたことが わかります。遠く応仁の乱から聖徳太子の動の時代、そして公家達中心の落ち着いた平安 時代という静の時代、源平から戦国時代を経て信長、秀吉、家康によって天下統一される までの動の時代、やがて武士達が都を江戸に移して元禄時代に象徴されるような静の時代 が続くと、倒幕派が現れたり、開国派が力を付けたりして、幕末から明治にかけては薩摩 藩、長州藩、新撰組などから時代の節目を背負う時の英雄達が各地に入り乱れ動の時代が 続きました。「誰が正しくて、誰が間違っている」よりも「自分達の信じた道を進む」と いう人たちの名前が今もなお歴史に刻まれて語り継がれていることは皆さんご存知のとお りです。西郷隆盛、坂本竜馬、近藤勇、勝海舟などなど。

 ところで、現在のマスコミでは「新橋のサラリーマンのお父さん」は、お酒と演歌が大好 きで、奥さんには弱くて、小遣いもままならないとなっているようですが、実際に街に立 ってみますと皆さん教養があって、演歌だけではなくジャズやクラシックにも憧憬が深く、 今日の経済大国日本の屋台骨を背負ってきた企業戦士とそのお仲間がたくさんいることに 気が付きます。唯一つ、明治時代の“しんばし通”に比べてみると、皆さんどうも豪快さ に欠けるみたい。「汽笛一声新橋」の頃の“しんばし通”は洋館に出入りし、汽車に乗り、 大使館や商社の西洋人達と対等に振る舞い、帝国ホテルや鹿鳴館に出入りすることは少な くても、気分は日本を背負って立つモボやモガ達が新橋駅周辺にはたくさん居たそうです。 最近では丸の内のOLや渋谷のギャルの方が自信を持って仕事に、趣味に、遊びにと積極的 に行動しているように報道されているのがちょっと残念ですね。

 平成維新の真っ只中、東京都心の中心で「明治でも金メダル、平成でも金メダル」を取れ るような新橋のサラリーマン、いや日本人になりましょう。GDPが~%upとか消費者物価が ~%downとか失業率が~%upなどと数字ばかりにこだわって一喜一憂しているよりは、志 やこだわりを大切に討ち死にさえも覚悟していた明治維新のつわもの達を見習いたいですね。

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