都心の最高気温が39.5度、ということは私たちの歩いている道路上は40度以上、
その上建物や走っている車からクーラーの熱が噴出する。地面の大部分はコンクリート
やアスファルトで固められており、水分蒸発による温度の低下が無く、実際の気温より
も5度ぐらいは路面温度が上がってしまう。
連日テレビや新聞等で報道されているように、東京の真夏日は1932年の統計開始以来
1995年の記録を抜いて歴代1位となった。この暑さはいったいいつまで続くのだろう。
全面アスファルトで覆われた地表、高層ビル建築により海側へ熱せられた大気を排気で
きずに熱気は陸地に留まる一方。おかげで毎夜寝苦しい夜が続く。寝られないからエア
コンを付ける、室外機の排気温により気温がまた上がる、まったくもって悪循環である。
去年の涼しい夏が信じられないように暑い。いつもより早い梅雨明けの東京新橋。異常
気象に慣れっこになってきた人達にもっとひどい状況を与えて危機を知らせてくれるの
に、喉元過ぎるとすぐ忘れてしまう凡人には体感温度45度もフェーン現象だから仕方
が無い、高層ビル群が風害や熱害に関係していても仕方が無い、車社会だから仕方無い
とじっと我慢するのみ。
そんな例年よりも暑い中、熱中症で体調を崩す人が急増している。とある灼熱の太陽
が照りつける午後、暑さで気分の悪くなった老夫婦に何人もの通りがかりの人達が心配
して声をかけていた。
他の街中では無言で通り過ぎる人が増えている時代、新橋はまだまだ人情のある人達が
多いのだなぁと感じた、ある夏の一日。
ふと見上げる汐留の超高層ビル。アスファルトで熱せられた空気が上昇しているのだろ
う、あの高い建物周辺が陽炎のようにゆらめいて見える。いったいあそこは何度ぐらい
あるのだろう。
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