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新橋レポート

[2009/07/30] 七歩目     『三味線の石村屋=仕事編=』

「どいた、どいた!」
突然ですが、ここからはオイラの出番です!
「えっ、イナセ!?いきなり何なのよ!」
「職人さんの仕事振りを語るのに、姉貴なんかに任せてられるかってんだ!ハイ、交代!」
「ちょ、ちょっと・・・待ちなさいよ、イナセ!」
そんな訳で、御主人には=胴に皮を貼る=一連の仕事振りを拝見させて頂きましたので、オイラがしっかり説明させてもらいます!

まずは皮を柔らかくする事から仕事が始まります。
「乾燥して硬くなってしまった皮を、湿して貼り易い状態にするんですよ。」
そう言いながら濡らせた手拭いで皮を包み、丁寧に巻き上げていく御主人。
意外にも皮は、時間にして4~5分で柔らかくなるそうです。


湿った手拭いで皮を柔らかくします

次に、接着部に鑢(やすり)をかけていきます。
「貼り付き易い様にザラザラにするんですよ。余計な脂も残しちゃいけないんでね。」
こういった細かい仕事も職人さんならではだよね。
鑢(やすり)をかける面は勿論裏で、表面は大切に扱います。


皮の接着部を紙鑢(やすり)で一仕事

「次いで、洗濯ばさみの親玉みたいので、皮を引っ張る訳です。」
そういって出てきたのは木栓と云う引っ張る為の道具。
端を折り、当皮を咬まして、四辺に順序よく挟み込んでいきます。
「皮の薄いところは逃がしながら、厚いところで攻めていく様にします。
弱いところは弱いなりに、強いところで無理を利かすかたちで平らにするんです。」
経験と勘がものをいう、これぞ職人・熟練の技です!


皮を見極め木栓を咬ませます

四辺に仕事が成されるとこんな状態

四辺全てに木栓を掛けたら、楔(くさび)を打ってしっかりと固定します。


小気味良いリズムで打たれる楔(くさび)

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