しんばし通

Shinbashi Expert しんばし通

[第一幕] 新橋の過去・現在・未来

第4回 「監獄ロック」と「ラブミー・テンダー」、日劇ウエスタン・カーニバルも花盛り


 昭和30年代から40年代の新橋はとても活気がありました。街には流行歌に混じってアメリカ からとんでもない音楽が流れ、当時の若者達を悩殺し、通りの看板にはこれまたアメリカのとん でもないセクシー女優のポスターが当事の鼻タレ小僧達を刺激した。

 エルヴィス・プレスリー、マリリン・モンローという名は今では偉大な歌手であり女優として 有名ですが、当時はセクシー過ぎると言われ問題視されていました。そんな中、隣の有楽町では 平尾昌晃、山下敬二郎、ミッキー・カーティスといったロカビリー三人男を中心に日劇ウエスタン・ カーニバルが盛んになり失神娘が何人も出ていた。日劇はまたジャズの大御所エラ・フィッツ ジェラルド等JATPのメンバーが来たりして都心の文化の発信基地でした。その日劇も今は 有楽町マリオンに様変わり、その内東京駅丸の内駅舎も無くなるかも。

 日本人は文化を守るのが下手ですね。 この後日本は高度成長まっしぐら、そして目指すは「文化 とこだわり」よりも「機能と合理性」。アメリカの黄金の‘50年代、‘60年代目指して鼻タレ 小僧達は企業戦士と化し世界に羽ばたき、カラー・テレビ、クーラー、マイカー、マイホーム、 一姫二太郎家族四人の核家族がニューファミリーの象徴となる。いつしか新橋はそんなお父さん 達が仕事を終え、ほっとネクタイを緩めてリフレッシュする飲食街として周囲のオフィス街の サラリー・マンの皆さんに愛されてきました。そんな昭和の鼻タレ小僧も今じゃ白髪交じりのいい お父さん、演歌だけじゃなくジャズやクラッシックも結構好きなオシャレな紳士が多いんですよ。 「エルヴィスは“心のうずく時”が最高」とか「モンローの“帰らざる河“を聴くと無性にノス タルジックになるんだ」なんていう人、大人の街新橋を楽しんでください。

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