「この糊も、三味線屋によって独自に考えて、白玉粉を使う職人さんもいるんですよ。」
へぇ~、職人さんの拘りって凄い独創力なのですね。頭が下がります。
粘りが十分出たところで、木の箆(へら)を使い胴の淵へ均等に塗り付けます。
見ている分には簡単そうだけど、あの粘る糯を斑なく伸ばすのも技術だよね。
糊を塗り終わったら、いよいよ貼り付けです。
皮と胴をそれぞれ片手に持ち、位置を合わせて被せます。
張替台に胴を乗せ、木栓と張替台に縄をかけていきます。
ここからの仕事で、艶のあるあの音色の全てを決めるといっても過言ではありません。
一箇所一箇所、しっかりと上下に縄を締め付けます。
締めの甘い部分は張替台に楔(くさび)を咬ませて調整します。
縄の緩みでなく、皮の張りを慎重に見極めながら打ち込みます。
さらに細かい調整に棒を使い絞りあげます。
「何枚も破いて経験で覚える技術なんですよ。
それにお客さんによって求める音色は違いますから、それも加味して仕事をしないと。」
求める音色を醸し出さすなんて、やっぱり音感も良くなくちゃ出来ない仕事ですね。
指で皮を弾き、貼り具合を確認。
「昔のお客さんに比べたら、本当、今は仕事に五月蝿い人は少なくなったね。」
職人としての誇りと意地が発揮し辛い現代に、どこか寂しさを感じるのはオイラだけでしょうか。
[ さんぽ公開日:2009/07/30 ]