しんばし通

Shinbashi Expert しんばし通

[第二幕] 新橋の過去・現在・未来

第8回 右脳vs左脳~自分の感性と他人の情報


 年の瀬が近づき、街路樹のイルミネーションが輝きだす季節だというのにTシャツでも汗ばむ日があったり、戦後の闇市の頃のごとく鼻の下をくすぐっては危なっかしい店内に誘い込む輩が出没したり、一方ではI.T.技術の発達が目覚しく、情報に振り回され自分を失ってしまう人、自分の感性よりも情報からの知識を優先してしまう人が増えています。

 例えば「新橋、汐留地区を利用する人の平均身長は165.8cmです」という情報を得たサイバー人間はこの地区の人間はみんな身長165.8cmだと思ってしまうのです。しんばし通に目を通してくださった人には信じられないことかもしれませんが、新橋で安い店 BEST5、新橋で美味しい店 BEST5、などといった情報を流すとサイバー人間達はその店が本当にBEST5だと思ってしまいます。

 でも本当のしんばし通は「あそこの店の焼き鳥は最高とか、あそこの店の店長の人柄は最高とか、あそこの店のBGMは最高」とか体験で知っています。安かろうまずかろうの無駄金使いよりは、記憶に残る楽しい時間をそれもリーズナブル(それ相当の)価格で楽しめたら人生豊かになります。

 会話など人とのコミュニケーションが嫌いな人にはATMやコンビニエンスなお店がいいんでしょうが、心のふれあいや人との温もりを大切にしている人には気持ちの感じられるお店を見つけてあなたのワードロープの一つに入れてください。

 そんな顔と気持ちの見えるお店をいくつも持っている人は幸せ、失敗を恐れて情報や肩書きに頼りすぎて見事に騙されちゃうこともあるけれど、そんな見せ掛けの格好だけの店がいつまでも続いていけるはずがないでしょ。

  老舗とか伝統とか言う言葉はそんな店にはつかないし形だけの創作料理とうたうのが精一杯。基本を積んだ本物なのか見せかけだけの偽物なのかは経験を積んで五感を肥やさないと分からないけれど、少ない経験で本物を見つけるツールがI.T.機器、それを鵜呑みにしてしまうサイバー人間の増加、自分の感性を重視する少数の人達と感性よりも情報や肩書きに頼ってしまう最近の日本人、あなたはどちらですか。

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