イナセくんと行く、新橋さんぽ

新橋さんぽ四十二歩目

いわき市港区交流ツアー『田植え編』

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田植えの後は醸造所まで歩いて移動です。5~6分小高い丘を登るとそこに懐かしい黒塗りの塀と門が見えてきました。ここは創業1725年の老舗の酒蔵「太平桜酒造合資会社」さんです。中に入ると9代目の代表太平さんが出迎えてくれました。
こちらは県内で一番小さい酒蔵とのこと。地産地消をモットーに「地元の米から醸造する美味しい日本酒を通し、未だ続く農産物への風評が少しでも払拭されたら嬉しい」と代表の太平さんは話していました。

ここで作られているお酒の内4種類を試飲させて頂きました。一本は今回田植えした酒米と同じもので造られた「絆」・2本目はやや甘口で後味スッキリの「純米酒 いわきろまん」、3本目は穏やかな香りとしっかりした味わいの「夢の香 純米原酒」、4本目は柔らかな味わいの「太平櫻 大吟醸」、どの銘柄もいわき市内でも限られたお店でしか飲めないという、いわば貴重なお酒です。
試飲の後は蔵の見学が行われました。欅の高い木立に囲まれた小さな蔵の中に入るとほんのりとお酒の匂いが鼻をかすめていきます。今回田植えしたお米を醸造するタンクや搾り機等の設備を見せていただきました。
今回田植えしたお米は10月の最終日曜日に稲刈りし、1月に仕込み 4月にお酒として出来上がる予定とのことです。こちらで造られたお酒は9割が地元で飲まれているとのこと。「折角復興を願って造られているのであればもっと県外で飲まれるようになればいいのに」と思いました。
今回田植えしたお米がどのようなお酒になるか想像しながら太平桜を後にしました。
 


 

 


 

 


 

 


 

 


昼食は、バスで湯本温泉に移動して童謡しゃぼん玉の詩で知られる野口雨晴ゆかりの宿「新(しん)つた」で取りました。
今朝水揚げされた初かつおも大サービスで、お造りのお皿とは別皿で特別に盛られていて、とてもおいしく旬の魚をたくさん頂きました。
いわき市の職員の方から冬の時期には、いわき市の郷土料理のどぶ汁(あんこう鍋)がおすすめで、肝を味噌に入れて、野菜とだし汁だけで水を足さずに作る濃厚な鍋があるとのこと。是非またそのころに訪問して食してみたいものです。

食後は日本三古泉に数えられる湯本温泉に入りました。ここには自然竹林に囲まれた露天風呂があり、お湯は源泉の湯量が5.5t/分と多く贅沢なかけ流しになっています。ただし温度は58度で、この温度では温泉卵は出来ないとのこと。震災後は若干泉質が変わったように感じると地元の人たちは話していました。具体的には硫黄臭が薄れたと言っていました。
田植えの疲れと日常の疲れを温泉と自然で癒し新つたを後にしました。
 


 

 


 

 


 

 


 

 

次に向かったのは、小名浜港です。海岸近くになると海に大きな橋が見えてきました。それは人工島へつながる橋で、島では石炭の積み降ろしができるようになるとのこと、またこの地区に大型ショッピングセンターがH30年完成を目処に建設される予定で、様変わりするだろうと、職員の方からの説明がありました。
 


 

 


 


海岸に着くと復興を遂げた小名浜港には昨年再建して操業を開始した「新小名浜魚市場」がありました。 残念ながら訪問した日は見学が出来ませんでしたが、建物の中には製氷50t/日と貯氷500t出来る立派な設備と放射性物質の検査室も設置され検査体制も整えられています。
こちらでの水揚げは現在もまだ試験操業で、検査を終え安全が確認された魚介類のみが出荷されています。まだまだ震災前の水揚げの数パーセントしか戻っていないとのこと、早く以前のような水揚げができるようになる日が待ちどうしく思えました。
 


 

 


 

 

 

[ さんぽ公開日:2016/08/13 ]


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